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恋せよ、その翼をもて。
「恋せよ、その翼をもて。」
居月ナオ様
お地球見の丘で。:
http://coco.or.tv/
好きだと告げたあの日のことを、君は今でも覚えていますか。
いと高き空の青を。
揺れる緑を。
こぼれ落つる透明な雫を。
初めて出会ったあの日のことを、私は微かに覚えています。
幼き手と手に満ちる熱さを。
はじけ溢れる笑い声を。
瞳に満ちる生きる意志を。
真夏のような時も、いつか思い出になる日がくるでしょう。
舞い落ちる雪に、過ぎ行く風に、ふと思い出すときがくるでしょう。
その時君の傍にいる人が、私であるかどうかは分かりません。
季節が移り変わるように、あらゆるものは変わっていくのですから。
それでも、私は信じているのです。
人が人を想う気持ちの強さと美しさを。
哀しいがゆえに煌く、愛することの喜びを。
そしていつか目覚めぬ眠りにつくとき、最後の夢を見るでしょう。
自分で選んできた道を遡り、遠いあの日々に触れるでしょう。
言葉さえ交わさずただすれ違っただけの人。
心の一番深いところに疼きを残していった人。
共に果てを目指して走った人。
世界でただひとり愛した人。
その全ての出会いに意味があったと気付くでしょう。
やがて夢が星へ還り、大いなるめぐりの中に戻るとき。
永遠の、真の意味を知るでしょう。
けれど今、そのときはまだ遠くにあって、隣にはあなたがいる。
繋いだ手の温もりも、あなたの微笑みも、あの空の青ささえ、手を伸ばせば触れることができるくらいに近く。
そう。
想いは、確かにここにある。
だから今は。
恋せよ、その翼をもて。
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